• プロフィール

    Author:大坪敬史

    大坪 敬史
    関西学院大学 文学部地理学科卒。
    民俗学、文化人類学、観光地理学を学ぶ傍ら、大手旅行会社での添乗・実務業務に没頭。日本文化を守り伝えていく“地域活性化”を志し船井総合研究所入社。
    宿泊施設のマーケティング戦略立案から、具体的な販促実務までを主軸に置いたコンサルティングを展開。中でもインターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増ノウハウ&即時業績向上には定評がある。 世界に誇る日本文化を次代に語ること、、、をテーマに全国を日々巡礼中。
    2010年1月、日本の観光業の永続的発展を目指した株式会社観光文化研究所を設立。代表取締役に就任。
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    2011年04月07日

    非常時における対応とは~旅行業界~

    昨日ブログに投稿しました “予約の戻りはやはり「インターネット>旅行会社」”に今回の被災地域のある旅館様よりコメントを頂戴いたしました。

    以下、転載させていただきます。

    ≪ココカラ≫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    当館も、4/1(金)から通常営業に戻しました。

    しかし、『災害復旧』しながらの再開ですので
    【暫定的な】客室出しを余儀なくされており
    所謂、”設定通り”の条件を待つのでは
    復旧が遅れるばかりで、”受けた予約分の
    部屋を作りだす”方策でしか対応出来ません
    でした。

    よって、リアルAGT様からは「提供客室」を
    「きちんと設定」して頂かないと販売出来ません!
    との旨で販売が停止したままです。

    逆に、ネットAGT様からは「暫定客室」でも創り
    出せば販売出来ますよ!との有難い言葉を
    頂いたので、そちらから全開で開放中!

    結果、被災者、救援者、マスコミ、地域の方々から
    大好評で、ある意味【特需】が生まれています。
    引き連られて、「ネットを見た!噂を聴いた!」との
    電話も大活況・・・・通常期より予約が多いかも。

    リアルAGTの店頭で『秋保はどこも泊まれません』と
    案内された方がネットを見たらビックリした!との
    謎のクレームも頂戴しました。

    暫くは、ネット依存から抜け出せそうにありません。

    ≪ココマデ≫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    この文章を業界を知らない人向けに少々噛み砕いて説明させてもらいます。

    こちらの旅館さまは違う部屋タイプを多くお持ちです。
    和室10畳、和室12畳、レディースルーム等々、客室タイプは多岐にわたります。
    通常であれば、それぞれのお部屋で値段が異なりますので、プラン毎の在庫設定をしなければなりません。

    つまり、仙台牛が付いた宿泊プランですと
     A客室タイプ
     B客室タイプ
     C客室タイプ 等々
    で、値段も部屋も異なるというのが通常期の販売方法です。

    ただ現場は、ご推察の通り、「復旧しながらの暫定営業」になりますので通常期とは違い、確定した部屋で商品造成することが難しく、そのような部屋造成をすることができません。

    それに対し、リアルエージェントは
    「提供客室」を「きちんと設定」して頂かないと販売出来ません!
     →「通常期通りの販売手法ではないと販売できない」と販売をしていない。
    ネットエージェントは
    「暫定客室」でも創り出せば販売出来ますよ!
     →非常時なので、状況にあわせた販売手法で販売できますよ、と販売している。
    と逆の立場を取っているのです。

    この場合の「暫定客室」とは、お部屋タイプはどのお部屋タイプになるかわからない。ということです。

    考えてみてください。この非常時に「部屋が10畳指定だからダメ」や「部屋指定しないと予約しない」という人がいるでしょうか?
    明らかに現場の感覚からかい離していることがわかると思います。

    この「考え方の違い」は「消費者との温度の感じ方」なのか、「情報リテラシーの違い」なのか、???です。
    こんな時だからこそ、リアル、ネットを問わずに協力して盛り上げていかなければならないのに、旅行会社が確かな情報を確認もせず、『秋保はどこも泊まれません』とは、常軌を逸した行動です。

    もちろん、旅行会社のすべてがこのような考え方ではないのでしょうが、現実に現場で業務を遂行されている方からのご意見なので、あえてブログで取り上げさせてもらいました。

    東北全体をこれから応援していく中で、「今の状況で、どうすればお客様が喜んでいただけるか、助かったと感謝されるか」という商売をしていってほしいと心から願うばかりです。

    ■観光文化研究所公式HPはコチラ。

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