• プロフィール

    Author:大坪敬史

    大坪 敬史
    関西学院大学 文学部地理学科卒。
    民俗学、文化人類学、観光地理学を学ぶ傍ら、大手旅行会社での添乗・実務業務に没頭。日本文化を守り伝えていく“地域活性化”を志し船井総合研究所入社。
    宿泊施設のマーケティング戦略立案から、具体的な販促実務までを主軸に置いたコンサルティングを展開。中でもインターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増ノウハウ&即時業績向上には定評がある。 世界に誇る日本文化を次代に語ること、、、をテーマに全国を日々巡礼中。
    2010年1月、日本の観光業の永続的発展を目指した株式会社観光文化研究所を設立。代表取締役に就任。
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    2011年11月10日

    ヨーロッパ鉄道におけるイールドマネジメント

    母校の関西学院大学でのゼミでの講義をしてきました。
    テーマは「観光業界の現状と旅館業」という内容でした。学生さんには刺激の強い話になったかも知れません(苦笑)。

    ゼミでの講義の後、学生時代の恩師と話をしている中で、「日本のインバウンドが本当に活性化するには?」というテーマで話をしていました。

    共通の意見が、海外に不毛なPRをする前に

    1)統計数字を正確にとれ
     現状、日本に入国する人の数は国ごとに把握していますが、その人たちがどのようなニーズ(ビジネスなのか、観光なのか等)で入国しているか把握できていない。
     →つまり、手心を加えるだけで、容易に数字のコントロールが可能

    2)国内交通の見直しをせよ
     ・不当に鉄道料金など「移動すること」が高コスト体質の是正
     ・インターネット対応に著しく後れをとっている
     ・海外観光客の質問に対して、平気で「イングリッシューノー」という駅員がいる

    「海外の鉄道、特にイギリスなどはネットで簡単に便が予約できるし、安いよ」と伺ったので、早速調べてみました。

    ※区間はイギリスLondonからGlasgowの約400マイル(約640キロ)
     対比区間は、日本の新大阪→東京の約500キロ
    イギリス

    値段は最安値で何と57ユーロ(日本円で5,928円)
    タイムテーブル

    移動時間に大きな「差」はありますが、日本でいうところの東京→新大阪間(正規料金:13,850円)と比べると破格です。
    ちなみに、条件によってはコレ以下の値段で移動できることもあるとか。
    凄まじいイールドマネジメントです。
    (飛行機でのイールドマネジメントは知っていましたが、鉄道でも同じ仕組みで販売していることは始めて知りました)

    日本人であれ、外国人であれ「旅行をする時の財布は1つ」です。
    つまり、移動+宿泊+現地や移動中の消費で旅行費用は計算されますが、日本はヨーロッパにくらべ「移動することの高コスト体質」が見てとれます。
    インバウンド充実のポイントに、観光地や宿泊施設の魅力アップのことばかりがクローズアップされますが、本気で海外からの観光客を増やしたいのであれば、「移動」の見直しを行うことで相当な追い風が吹くことが見込まれます。

    通常とは違う「視点」に気づかせていただきました。
    有意義な時間でした。

    ■観光文化研究所公式HPはコチラ。

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