今回は、特定の企画商品の話ではなく、企画した商品をいかに売りきるか、という話です。
先日、当社のクライアント旅館が、インターネット&直販強化を実行して、初めてのゴールデンウイーク(GW)を迎えました。
GW終了後、早速その結果が知りたくて「連休中にインターネットからご予約のお客様で、キャンセルやNO―SHOW(予約客が連絡もなく現れないこと)などの問題はありませんでしたか」と伺いました。
すると「インターネット経由で予約のお客様のキャンセルはほとんどなく、逆に旅行会社経由の予約の直前キャンセルが目立ちました」という回答でした。
以前は、「旅行会社経由の予約客は、キャンセルなどが少ない。逆にインターネット経由の予約客の方が、すぐにキャンセルする」という話ばかりでしたが、昨今はそのようなことはないようです。
かつてのように、旅行会社の店頭で国内旅行を申し込むお客様は激減し、一方で自宅や職場などからパソコンで予約する人が増えたことが、ネット予約激増の一因でしょう。
ただ、最近の新しい傾向としては、ご主人が運転している車の助手席で、奥様がスマートフォンやiPadなどを利用して当日泊まる宿を検索し、予約するという旅行スタイルも増えてきているように思えます。
事前に「宿」を決めるのではなく、行った先で「宿」を決めるという消費行動です。
当社のクライアント旅館に本件を照会したところ、宿泊日当日に「今日、泊まれますか」という電話が多いという現場の声があがってきていました。
今回のGWもそのようなお客様が多かったということで、クライアント旅館にも「予約の締め切り時間」の見直しを行ってもらいました。
その旅館は、今まで当日の午前11時までしかインターネット経由の予約を受け付けていなかったのですが、料理内容などを明確に記載していないプランや、面倒くさくないプランについては午後5時までインターネットでの予約を受け付ける、というオペレーションに変更しました。
すると調理場からは「食材仕入れが間にあわない」、仲居頭からは「仲居の人繰りが大変だ」、予約課からは「その時間までネット予約を受け付けると、オーバーブッキングの危険が増える」という声があがってきました。私は当日予約が増えている時代背景などを説明しながら、なんとか理解を得て、皆さんに協力してもらいました。理想としては、当日までに部屋が満館になり、直前予約など必要ない、という状況が正論だと思います。ただ、現実問題として、直前キャンセルなどが存在する可能性は十分あります。
「当日の宿を予約する」というお客様の消費行動に対応することも、今後は必要な時代になってきました。
GWが終わり、一段落した現状で、「予約締め切りの時間の見直し」を検討されてみてはいかがでしょうか。