箱根のオーベルジュ「フォンテーヌブロー仙石亭」で、『箱根マリアージュプラン』伝統のフランス料理と共に~シャンパン、白ワイン、赤ワイン、食後酒付~という宿泊プランが人気です。
フォンテーヌブロー仙石亭は元帝国ホテルの料理人がオーナーで、全室に露天風呂付客室を完備した、料理と温泉を楽しむオーベルジュとしても人気です。食に詳しいお客様だけでなく、若いお客様の利用も増えています。
そんななか、食(特にフランス料理)に詳しいお客様は、メニューに合わせてワインを注文して楽しんでいますが、場慣れしていないお客様はワインの注文に困られるとか。
もちろん、ダイニングのスタッフに相談すれば、お客様の要望を聞いて、最適のワインを提案できるのですが、そのようなことすら知らないお客様も多いそうです。そこで、「箱根マリアージュプラン」を造成しました。
プランの説明文の中には、「季節替りのフランス料理フルコースのそれぞれの料理と共に、選りすぐりのワインをお楽しみください。シャンパン、白ワイン、赤ワイン、食後酒を伝統のフランス料理と共にお楽しみくださいませ。※それぞれお一人様につき1杯ずつ4種類のお酒をお楽しみくださいませ」という一文を入れて、販売しました。
すると、若いお客様層から多くの予約をいただくようになりました。さらに、旅慣れたお客様からも「どんなワインや飲み物を提案してもらえるのだろう」と予約が入るようになったという話を聞いています。
マリアージュ(mariage)とは、フランス語で、飲み物と料理の組み合わせが良いことという意味です。とくに、ワインと料理の組み合わせについていいます。
料理とお酒を楽しむのは個人の嗜好によるところが大きいので、一方的な押し付けは好ましくありませんが、「どんなワインをどの料理にあわせ、注文すればよいのか」ということは、経験と知識が必要となってきます。
もちろん、そのためにダイニングのスタッフが存在するわけですので、積極的にお客様から聞かれれば、答えることができますが、それすらもできないお客様がいることも確かです。
また、ワインに詳しいお客様でも「ワインと料理を楽しむ」ことよりも、「相手との時間と空間を楽しむ」ことに重きを置くお客様もいます。
フォンテーヌブロー仙石亭の支配人は「料理やワインのことは、いくらでも語ることはできますが、それをどの程度お客様に伝えるかが、難しくもあり、楽しみでもあります」と話しています。オーベルジュに泊まるお客様が「何を」楽しみに来館するのかは、それぞれに異なってきます。この料理にはこのワインが一番、というような一方的な押し付けではなく、「こういったワインが料理にあいますよ」という提案を事前にすることが、楽しみの幅や奥行きを広げることとなります。