今回のコラムタイトルを見て、違和感を覚えた方も多いかと思いますが、これから紹介する事例を読んでいただければ、納得いただけると思います。先日、飛騨高山の本陣平野屋花兆庵が、台湾で人気の「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど」という台湾の女性と日本の男性が家族で日本を旅するというブログ(FB)で紹介されました。※ 雖然媽媽我不可以嫁去日本。(ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど) https://www.facebook.com/luffyimcoming/(facebook)
実際にこの家族が飛騨高山を訪れ、花兆庵に宿泊し、その様子がFBやユーチューブに動画をアップされたのですが、1記事に対して約5,500件程度の「いいね」が集まっていました。
この企画は=※玩轉日本中部跟茂木家探秘去! https://tw.hotels.com/page/hotelsmogis/?=rffrid=smm.hcom.tw.002.001.003.Trex-Sept24-MOCPというもので、ホテルズコムというOTAが企画したようですが、影響力は確かなものがあります。ただ、海外のブロガーすべてが影響力を持っているかは未知数です。
宿の経営者のなかには、広告会社などから紹介された、中途半端なブロガーに費用を払った結果として、宿HPへのアクセス数が10件も満たなかったという失敗談も多くあります。これはブロガーの良し悪しが問題ではなく、紹介する「人」によります。ブロガーが「どの程度の影響力」を持っているかは「結果」次第で変わりますが、無名の観光地よりは、ある程度の人気のある観光地をさらに人気観光地にする、という流れはできているようです。
インターネットの発達で、旅行会社や広告会社でない存在=個人の発信力が旅行を誘発する要素の1つになっています。地道な情報発信はもちろん大事ですが、観光地の魅力を磨くことも重要です。
そういった意味で岐阜県の飛騨高山は行政も積極的に「観光」に力を入れていていますし、当然、そこで商売する「観光業」(宿、物産店、地域のかかわる方々)も真剣に「観光」に力を入れています。
愛知県中部のセントレア空港という、巨大な集客力を持った空港の力を冷静に把握し、アクセスの向上などにも努めています。広域連携(昇竜道 http://shoryudo.go-centraljapan.jp/ja/)にも力を入れているといった要素もあり、外国人観光客からの成果(集客)がうまくいっている事例と言えるでしょう。ただ、海外のブロガーを連れて来て記事を書いてもらう『だけ』で、外国人観光客が増大するわけではなく、飛騨高山のような努力の積み重ねで「結果」が出るということです。
ともあれ、旅行会社以外のユーザーが、日本というコンテンツに興味を持って紹介し続けていただけるということはありがたいことです。今後も世界中でこういった人たちが日本を訪れてくれることを切に願うものです。