今年4月27日から5月6日まで、10連休が実現することになりました。10連休は未だかつてない連休ですので、「宿泊料金のシーズナリティをどうするのか」という相談を、最近よく受けます。
第一に、旅行会社に部屋を提供している宿はこの期間の料金チェックが必須です。とくに「4月29、30、5月1、2日が平日料金で設定されていないのか」と確認が必要です。
すでに、安い料金で設定してしまっている場合は、料金を上げる交渉をするか、この期間の部屋を止めてもらうように働きかける必要があります。
次に4月27日―5月6日までの売り方ですが、過去に経験のない連休なので「中だるみ(4月29、30日、5月1、2日の動きが弱くなる)すること」や「前半」と「後半」の動きが弱くなることも想定されます。ただ、こればかりは蓋を開けてみないと分からない。地域によっても状況は異なるでしょう。
私が、4月27日―5月6日までのGW期間で、国内の宿泊施設の埋まり具合を◎○△×で平均予測すると、4月27日◎、4月28日◎、4月29日(昭和の日)△、4月30日(天皇陛下退位)△、5月1日(新天皇陛下即位)△、5月2日〇、5月3日(憲法記念日)◎、5月4日(みどりの)◎、5月5日(こどもの日)◎、5月6日(振り替え休日)×というような入り込みになりそうです。
そんななか、新潟県・岩室温泉の旅館「ゆめや」では、「ゆめやで過ごすGWプラン~グループ特典ございます~ 」(4月27日―5月5日) というプランを造成し、まずは公式HPで販売することになりました。
GWに近づくにつれ、制約(キャンセルポリシーなど)が緩いプランを造成するか、OTA(オンライン旅行会社)に販売するかなどを協議しながら、満室に近づけよう、という動きをしてもらう予定です。
客室数が多い宿は、4月29、30日、5月1、2日が弱くなるだろう、という前提で早めに部屋を販売するのと同時に、OTAなどの特集にも当該日を組み込んで販売するなどの施策をしてもらうケースもあります。
GWが終わってみたら、「わざわざこんな施策をしなくても、宿泊単価が高く満室になった」ということになるかも分かりませんが、過去に経験のない10連休なので楽観はできません。そもそも、国内旅行に行かず、海外旅行に出掛ける日本人も多いことでしょう。また、GW期間中に満室日が続いたとしても「スタッフが働くことができるのか」という点も考慮する必要があります。
この人手不足の時代、余剰人員を抱えている宿は少ないでしょう。GW前と後を休館にして、「GW期間中は何とか働いて」と言わざるを得ないケースも多発するでしょう。
19年後半は、消費増税でますます厳しい商戦が予測されるので、増税前の小さなプレンゼントを貰った、という認識でしっかりGWを乗り切ってもらいたいと思います。