• 連載コラム 繁盛旅館への道~売れる商品企画の作り方~
    Column
  • 2019年11月05日

    2019年1月11日 2019年度GW対策

    今年4月27日から5月6日まで、10連休が実現することになりました。10連休は未だかつてない連休ですので、「宿泊料金のシーズナリティをどうするのか」という相談を、最近よく受けます。

    第一に、旅行会社に部屋を提供している宿はこの期間の料金チェックが必須です。とくに「4月29、30、5月1、2日が平日料金で設定されていないのか」と確認が必要です。

    すでに、安い料金で設定してしまっている場合は、料金を上げる交渉をするか、この期間の部屋を止めてもらうように働きかける必要があります。

    次に4月27日―5月6日までの売り方ですが、過去に経験のない連休なので「中だるみ(4月29、30日、5月1、2日の動きが弱くなる)すること」や「前半」と「後半」の動きが弱くなることも想定されます。ただ、こればかりは蓋を開けてみないと分からない。地域によっても状況は異なるでしょう。

    私が、4月27日―5月6日までのGW期間で、国内の宿泊施設の埋まり具合を◎○△×で平均予測すると、4月27日◎、4月28日◎、4月29日(昭和の日)△、4月30日(天皇陛下退位)△、5月1日(新天皇陛下即位)△、5月2日〇、5月3日(憲法記念日)◎、5月4日(みどりの)◎、5月5日(こどもの日)◎、5月6日(振り替え休日)×というような入り込みになりそうです。

    そんななか、新潟県・岩室温泉の旅館「ゆめや」では、「ゆめやで過ごすGWプラン~グループ特典ございます~ 」(4月27日―5月5日) というプランを造成し、まずは公式HPで販売することになりました。

    GWに近づくにつれ、制約(キャンセルポリシーなど)が緩いプランを造成するか、OTA(オンライン旅行会社)に販売するかなどを協議しながら、満室に近づけよう、という動きをしてもらう予定です。

    客室数が多い宿は、4月29、30日、5月1、2日が弱くなるだろう、という前提で早めに部屋を販売するのと同時に、OTAなどの特集にも当該日を組み込んで販売するなどの施策をしてもらうケースもあります。

    GWが終わってみたら、「わざわざこんな施策をしなくても、宿泊単価が高く満室になった」ということになるかも分かりませんが、過去に経験のない10連休なので楽観はできません。そもそも、国内旅行に行かず、海外旅行に出掛ける日本人も多いことでしょう。また、GW期間中に満室日が続いたとしても「スタッフが働くことができるのか」という点も考慮する必要があります。

    この人手不足の時代、余剰人員を抱えている宿は少ないでしょう。GW前と後を休館にして、「GW期間中は何とか働いて」と言わざるを得ないケースも多発するでしょう。

    19年後半は、消費増税でますます厳しい商戦が予測されるので、増税前の小さなプレンゼントを貰った、という認識でしっかりGWを乗り切ってもらいたいと思います。

    バックナンバー
  • Vol.64 9月1・11日号 V-RESASを活用してのマーケティング
  • Vol.63 2021年7月11日号 行政の宿泊補助事業を活用した事例
  • Vol.62 2021年5月11・21日合併号 コロナ禍におけるアニバーサリー需要
  • Vol.61 2021年3月11日 前向きなビジネスホテルの事例に学ぶ
  • Vol.60 2021年1月11・21日 経済活動にブレーキが掛かる前提での経営
  • Vol.59 2020年11月11日 地域共通クーポン狂騒曲
  • Vol.58 2020年9月11日  Go Toトラベルを前向きにとらえよう
  • Vol.57 2020年7月11日 現実的な新型コロナ対策ステージへの移行
  • Vol.56 2020年5月11・21日 マイカー旅行プラン
  • Vol.55 2020年3月11日 東京五輪対策プラン
  • Vol.54 2020年1月11日 外部評価を宿泊プランに組み込む
  • Vol.53 2019年11月11日 トーマス・クック社、破綻の意味
  • Vol.52 2019年9月11日 広告の注意点
  • Vol.51 2019年7月11日 消費増税・東京五輪に向けて
  • Vol.50 2019年5月11日 外国人観光客に対するマナー啓発
  • Vol.49 2019年3月11日 見直そう、親子旅マーケット
  • Vol.48 2019年1月11日 2019年度GW対策
  • Vol.47 2018年11月11日 体験に勝る解決法なし
  • Vol.46 2018年9月11日 地域の現状のツタエカタ
  • Vol.45 2018年7月11日 キャンセル率の検証
  • Vol.44 2018年4月11日 タブレット対応HPは必須か?
  • Vol.43 2018年3月11日 少ない時間働く文化を作る
  • Vol.42 2018年1月11日 タリフの更新作業の生産性検証
  • Vol.41 2017年11月11日 予約確認電話の必要性
  • Vol.40 2017年9月11日 旅館の1泊2食は悪なのか?
  • Vol.38 2017年5月11日 歴史のチカラを商品に
  • Vol.37 2017年3月11日 キャンセルポリシーの見直し
  • Vol.36 2017年1月11日 リアルエージェントとの付き合い方
  • Vol.35 2016年11月11日 ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど
  • Vol.34 2016年9月11日 デポジットと事前カード決済
  • Vol.33 2016年7月11日 予約リードタイムの長期化
  • Vol.32 2016年5月11日 他館との連携プラン
  • Vol.31 2016年3月11日 好調時こそ、次を見据えよう
  • Vol.30 2016年1月11日 料理とお酒マリアージュプラン
  • Vol.29 2015年11月11日 人材獲得のために
  • Vol.28 2015年9月11日 旅館の売店の優位性
  • Vol.27 2015年7月11日 調理人の負担が少ない料理プラン
  • Vol.26 2015年5月11日 アドバンスパーチェスプラン
  • Vol.25 2015年3月11日 プラン造成は最大の販売促進
  • Vol.24 2015年1月11日 ベジタリアン料理の可能性
  • Vol.23 2014年11月11日 OTAも選別の時代へ
  • Vol.22 2014年9月11日 USJの成功は魔法ではない
  • Vol.21 2014年6月11日 地域観光資源の効果的な売り方
  • Vol.20 2014年5月11日 宿のインバウンド対策とは?
  • Vol.19 2014年4月11日 業界の流れを活かした施策を
  • Vol.18 2014年3月11日 ネット予約におもてなしの心を
  • Vol.17 2014年2月11日 風習を企画に
  • Vol.16 2014年1月11日 おもてなしは商品である
  • Vol.15 2013年12月11日・21日合併号 真っ当な表示がウリに?
  • Vol.14 2013年11月11日 Webでも団体受注を!
  • Vol.13 2013年10月11日 1人旅プラン、静かに浸透中
  • Vol.12 2013年9月11日 スタンダードプランは大切に
  • Vol.11 2013年8月11日・21日合併号 アクティビティは詳細表記
  • Vol.10 2013年7月11日 宿泊産業もエコの時代へ
  • Vol.09 2013年6月11日 直前予約の締め切り時間
  • Vol.08 2013年5月11日・21日合併号 需要高い「マグロ」プラン
  • Vol.07 2013年4月11日 赤ちゃん連れ旅行に着目
  • Vol.06 2013年3月11日 料理長との会話も商品
  • Vol.05 2013年2月11日 信仰や風習を取り入れる
  • Vol.04 2013年1月11日・21日合併号 “食事制限”も工夫で開拓
  • Vol.03 2012年12月11日・21日合併号 シニア市場の攻略
  • Vol.02 2012年11月11日 量より質のチカラ
  • Vol.01 2012年10月21日 誰もが喜ぶ企画力を