• 連載コラム 繁盛旅館への道~売れる商品企画の作り方~
    Column
  • 2021年01月24日

    2021年1月11・21日 経済活動にブレーキが掛かる前提での経営

    新型コロナの感染拡大で、経済活動にブレーキを掛ける政策が実行されています。

     

    雇用調整助成金があるとはいえ、これ以上の休業は宿泊事業者には死活問題です。当社のクライアントには「経済活動にブレーキが掛かる前提での経営」をお願いしています。具体的には、マーケティング面で次の内容を提案しています。

     

    ①媒体利用の停止、継続の選別
    広域から集客前提の書籍や雑誌類などは停止し、地域(エリア)限定の地元誌、フリーペーパーなどは、企画商品のPRで地元集客確保のため継続する。

     

    ②旅行会社在庫のさらなる調整
    業界大手の厳しい経営が続くなか、例年同様の「在庫」を提供しても、売れる在庫数は減少します。提供在庫の調整は必須です。

     

    ③地元宴会の受注調整
    コロナ禍でも、地元宴会の需要は一定数あります。ただ、従前のような人員体制が整わないなかで、休前日などに宴会を受注すると、大事な宿泊客の食事提供に影響が生じます。

     

    やはり、忘・新年会の受注数を絞り、平日や小グループの宴会のみ受け入れるという宿も多くあります。

     

    ④OTA(オンライン旅行会社)キャンペーンの機動的な対応
    昨秋のように、放っていても満室になるような時期に、OTAキャンペーンを打っても、販促費の無駄遣いや宿泊単価の減少を招くだけです。

     

    ただ、集客が弱くなった時期のカンフル剤としては活用できますので、「キャンペーン」を仕込んでおいて、実際に売るかは、コロナの感染状況や世の中の動きみて判断する、という対応をしてもらっています。

     

    ⑤先行予約の「売り方」を機動的に
    Go Toトラベル事業自体は、どこまで確実に継続されるかは不明瞭のなか、先の予約(具体的には2021年2月1日以降の予約)の動きが全国的によくありません。

     

    ただ、Go Toトラベル事業が継続となれば、一定の集客効果は続くと思いますので、予約が入ってないからと焦らず、安売りプランなどの販売は控えてもらっています。

     

    ⑥確実に「動く層」へのダイレクトマーケティング強化
    昨年4月の新型コロナ・緊急事態宣言後、まず予約が動いたのは「地元」と「リピーター」のお客様です。そのため、この冬も「地元」と「リピーター」のお客様を対象にした特別宿泊プランを造成し、DMを発送いただいております。

     

    既にDMを発送した旅館には、レスポンスよく予約が発生しております。
    このほかにも、全国の宿泊施設で、さまざまな対応をされていることと思います。 「with コロナ」という言葉は「コロナだから仕方ない」とあきらめることではなく、「コロナ禍の時代ですが、折り合いをつけて前向きに行動する」ということです。

     

    先行き不透明な時期だからこそ、前向きな行動を前提に乗り切っていただきたいと願っています。

    バックナンバー
  • Vol.64 9月1・11日号 V-RESASを活用してのマーケティング
  • Vol.63 2021年7月11日号 行政の宿泊補助事業を活用した事例
  • Vol.62 2021年5月11・21日合併号 コロナ禍におけるアニバーサリー需要
  • Vol.61 2021年3月11日 前向きなビジネスホテルの事例に学ぶ
  • Vol.60 2021年1月11・21日 経済活動にブレーキが掛かる前提での経営
  • Vol.59 2020年11月11日 地域共通クーポン狂騒曲
  • Vol.58 2020年9月11日  Go Toトラベルを前向きにとらえよう
  • Vol.57 2020年7月11日 現実的な新型コロナ対策ステージへの移行
  • Vol.56 2020年5月11・21日 マイカー旅行プラン
  • Vol.55 2020年3月11日 東京五輪対策プラン
  • Vol.54 2020年1月11日 外部評価を宿泊プランに組み込む
  • Vol.53 2019年11月11日 トーマス・クック社、破綻の意味
  • Vol.52 2019年9月11日 広告の注意点
  • Vol.51 2019年7月11日 消費増税・東京五輪に向けて
  • Vol.50 2019年5月11日 外国人観光客に対するマナー啓発
  • Vol.49 2019年3月11日 見直そう、親子旅マーケット
  • Vol.48 2019年1月11日 2019年度GW対策
  • Vol.47 2018年11月11日 体験に勝る解決法なし
  • Vol.46 2018年9月11日 地域の現状のツタエカタ
  • Vol.45 2018年7月11日 キャンセル率の検証
  • Vol.44 2018年4月11日 タブレット対応HPは必須か?
  • Vol.43 2018年3月11日 少ない時間働く文化を作る
  • Vol.42 2018年1月11日 タリフの更新作業の生産性検証
  • Vol.41 2017年11月11日 予約確認電話の必要性
  • Vol.40 2017年9月11日 旅館の1泊2食は悪なのか?
  • Vol.38 2017年5月11日 歴史のチカラを商品に
  • Vol.37 2017年3月11日 キャンセルポリシーの見直し
  • Vol.36 2017年1月11日 リアルエージェントとの付き合い方
  • Vol.35 2016年11月11日 ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど
  • Vol.34 2016年9月11日 デポジットと事前カード決済
  • Vol.33 2016年7月11日 予約リードタイムの長期化
  • Vol.32 2016年5月11日 他館との連携プラン
  • Vol.31 2016年3月11日 好調時こそ、次を見据えよう
  • Vol.30 2016年1月11日 料理とお酒マリアージュプラン
  • Vol.29 2015年11月11日 人材獲得のために
  • Vol.28 2015年9月11日 旅館の売店の優位性
  • Vol.27 2015年7月11日 調理人の負担が少ない料理プラン
  • Vol.26 2015年5月11日 アドバンスパーチェスプラン
  • Vol.25 2015年3月11日 プラン造成は最大の販売促進
  • Vol.24 2015年1月11日 ベジタリアン料理の可能性
  • Vol.23 2014年11月11日 OTAも選別の時代へ
  • Vol.22 2014年9月11日 USJの成功は魔法ではない
  • Vol.21 2014年6月11日 地域観光資源の効果的な売り方
  • Vol.20 2014年5月11日 宿のインバウンド対策とは?
  • Vol.19 2014年4月11日 業界の流れを活かした施策を
  • Vol.18 2014年3月11日 ネット予約におもてなしの心を
  • Vol.17 2014年2月11日 風習を企画に
  • Vol.16 2014年1月11日 おもてなしは商品である
  • Vol.15 2013年12月11日・21日合併号 真っ当な表示がウリに?
  • Vol.14 2013年11月11日 Webでも団体受注を!
  • Vol.13 2013年10月11日 1人旅プラン、静かに浸透中
  • Vol.12 2013年9月11日 スタンダードプランは大切に
  • Vol.11 2013年8月11日・21日合併号 アクティビティは詳細表記
  • Vol.10 2013年7月11日 宿泊産業もエコの時代へ
  • Vol.09 2013年6月11日 直前予約の締め切り時間
  • Vol.08 2013年5月11日・21日合併号 需要高い「マグロ」プラン
  • Vol.07 2013年4月11日 赤ちゃん連れ旅行に着目
  • Vol.06 2013年3月11日 料理長との会話も商品
  • Vol.05 2013年2月11日 信仰や風習を取り入れる
  • Vol.04 2013年1月11日・21日合併号 “食事制限”も工夫で開拓
  • Vol.03 2012年12月11日・21日合併号 シニア市場の攻略
  • Vol.02 2012年11月11日 量より質のチカラ
  • Vol.01 2012年10月21日 誰もが喜ぶ企画力を