(中略) 旅館のコンサルティングに当たる大坪敬史さんも、旅館の戦略の変化を指摘する。「お忍びのお客様をターゲットにした旅館では、女将があいさつのために客室をめぐることはほとんどなくなりました。」必ずしも女将が「旅館の顔」である必要はないということだが、大坪さんによると、「有名温泉地ではなく、過度な設備投資もしていないのに、なぜか繁盛している。そういう旅館には、人間的な魅力にあふれる女将がいるもの」。時代が移っても、愛される女将がいる旅館のにぎわいは変わらないようだ。